2.猫と占いと家具屋
 アルバム2曲目。この曲は元々「猫になりたい」というタイトルでした。2019年の年末くらいには完成しておりライブでもバンバンやっていましたね。気に入っているところはイントロと間奏でシタールの音色を使っている点。それから、歌詞にポール・マッカートニー氏の名前が出てきますが、その部分でBa.まっちゃんが有名なあの曲のフレーズを弾いてしまっています(ナイスアイデア!)。気がつきましたか?
 ところで、人間は1日に9000回の選択と決断をすると言いますが、僕は優柔不断なので面倒な選択は後回しにしがちです。決断をすることにエネルギーを使うのが嫌なのでこうなるわけですけれども、そんな時に役立つのが「タロット占い」です。例えばちょっと高い買い物をするときなんかに背中を押してもらったりするわけです。占いというと信じないという人もたくさんいると思いますが、僕はこんな感じで結構見るタイプです。良い部分しか見ないでなんとなくその気でいるとなんかいつの間にか上手くいってる〜ってことが多い気がするからです。ちなみに歌詞にでてくる「大殺界」とは細木数子さんで有名な六星占術で使われる用語です。全然詳しくないですけれど響きがいいですよね。家具屋はIKEAのことなのはお分かりですね?紅白歌合戦で歌えるかな〜。
4.青山通り
 アルバム4曲目。この曲は今年の1~2月くらいに制作し、自粛前のライブでは必ずやっていた記憶があります。当時の僕は今っぽいハネ系ビートがどうしてもやりたかったみたいです。今っぽいおしゃれなバンドは大体リズムがハネているんですよね(持論)。バンドサウンドとシンセサウンドがうまく融合して、新時代のサウンドになっているんじゃないかと自負しております。それにこの曲はサビが1回しかないんです。実は何度も聴きたくなっちゃったりしてるんじゃないでしょうか。もしそうなら僕の術中にハマってます。
 一方歌詞はというと...1~2月というのは次の年度に向けて色々と準備をしたり決断をしたりする期間、それも大詰めの時期だと思うのですが、当時の僕は悩みに悩んでおりました。今までは大学院生として生活がありましたが、上京をしてプロとしての活動を実際に目の当たりにしたり、恵まれたメンバーとの出会い、昨年末に色々な賞をいただいたということもあって、今まで頑張ってきた理系の道から脱してでもこのままバンドをやっていくのがいいんじゃないかと。(大学のOBでもある川谷絵音さんに憧れたのもある)何の保証もない新しい世界に飛び込んでいくというのは大変な精神力がいるものでして、歌詞にはこの時の精神状態がよく表れています。「ららら、荒野を行く~」なんてまさにですね。朝の5時くらいに書いていたせいもあるとは思いますが。当時の僕には大学のキャンパスが、まるで大都会のド真ん中「青山通り」にそびえ立つビル群のように見えておりました。
5.スカート
 アルバム5曲目。この曲は自粛期間真っ最中に書き上げた1曲。家から出ることのない日々が延々と続き「なんかこれ、1週間の中で言えば火曜日がずっと繰り返してるみたいだな~」なんて思ったところから制作が始まりました。自粛期間はほぼ毎日ピアノを弾いていたのもあって、僕は全編キーボードを弾くスタイルにしました。ギターでは表現しきれないちょっぴり複雑なコードなんかもいれてみたり。特にコード進行はイントロは単調で重々しく、サビではメロと合わせたときに美しく聞こえるようにと、こだわりぬいてます。(イメージしたのは坂本龍一さん)サビのメロディはもともと別の曲のもの(未公開ですがアルバム紹介のある動画で流れています)だったのですが試しにのせてみたところばっちりハマってしまい、この形になりました。耳に残るよね~。
 歌詞に関してはものすごく自粛期間のことを歌っています。世の中がどんな混乱に陥ったとしても、僕の身の回りにある大事なもの、美しいと思うもの、自分の考え方・感じ方だけはしっかり守っていきたい。そういった想いを込めました。アルバムの中で一番好きな曲です。
6.昨日の月にさまよえば
 アルバム6曲目。実はこの曲は19歳の時に作曲しており、前身バンド(バンド名は聞いて来ないでください)が解散するまでの少しの間、ライブでも披露しておりました。ここだけの話、エゾシカ名義で配信中のシングルバージョンは(ジャケットが月の写真のやつですね)前身バンドの演奏なんです。これをver.1としましょう。当時キーボーディストを務めていたのが越村くんというナイスガイでして、イントロやサビのシンセフレーズなんかは彼のアイデアのはずです。それから時を経て、エゾシカで僕がキーボードを担当するようになり再REC。ver.2として自主制作盤の『22』に収録されました。より整った音像でダンサブルなアレンジにはなったものの、ver.1のようなアンニュイな雰囲気は薄れてしまったような気がしていて、実は個人的には少々納得のいかない出来でした。そして今回、全国流通版をリリースするとのことで、再RECのチャンスがやってきまして、ここぞとばかりに越村くんに声をかけました。僕もキーボードを弾くようになっていたので連弾形式にしようじゃないかと。こうしてver.3は最高にリッチなアレンジになっています。イントロのピアノは越村くん、アウトロは僕が弾いていたりします。さらにパーカッショニストでもあるDr.守屋のタンバリンなんかも入っていて、やりたいことをうまく表現できた1曲になったと思います。以前のバージョンとの聞き比べもぜひやってみてください。(個人的にはver.3をたくさん聞いてほしいです!)
7.六畳間のヒーロー。
 アルバム7曲目。この曲の制作が期間的に一番大変でした。収録候補曲がどんどん集まっていく中、リード曲どうすんの?まだまだいけるんじゃないのー?という意見もでてきまして候補曲の提出期限が10日くらい伸びました。締め切りはちょうど7/4、自分の誕生日!23歳であるうちに全曲作り切ったんだったらアルバムのタイトルは『23』しかないじゃん!なんて呑気なことを考えていましたが、いざスタジオに入ってみるといやあ煮詰まる煮詰まる。いや、10日でリード曲候補なんて無理やろ!なんてヤケになり、アンプのツマミをグーンと上げて(いわゆるフルテンというヤツ)みるとこれがメチャメチャ楽しくて...あれよあれよという間に曲ができてしまったというワケです。なんだかんだ音楽は気張らずにこれくらい気楽にやっていたほうがいいのかもしれないですね。同時に歌詞も大急ぎで書き上げましてこれだけ暑苦しいサウンドなら真夏の歌でしょとのことで、この形になりました。「子供の頃の夏休み、クーラーのガンガン効いた部屋でマンガ雑誌を読んで妄想にふけった思い出」という思ったよりも暗いテーマになってしまいましたが。夏は暑いし外にはできるなら出たくないじゃん!と言い訳しておきます。しかし、神様のいたずらかこの曲のMV撮影は8月の九十九里浜で行われることになります。当日は快晴、空からも砂浜からもギャンギャンに照り付ける太陽!まさに地獄の撮影でした。監督の鹿島さんをはじめとした撮影チームの方々はセットの設営なんかもあり、全員汗だくだく、自分たちよりも遥かに過酷だったはずで誰か倒れるんじゃないかとメチャクチャ心配でした。そしてなんとか無事に撮影を終えあのMVが完成したわけです。本当にありがとうございました。監督にはもう1本『猫~』のMVも撮っていただいてます。(こっちはオールナイト撮影)ぜひそちらも見てみてください。ちなみにこの曲、元のタイトルは『ビキニちゃん』でしたが諸事情により変更になりました。いつか供養したいな。そのためにももっと大きくなってやるぞ~!と意気込んでおります。
リリース前に写真をツイートしてましたが、
曲順になっていました。
まとめ
 今までの活動がよくまとまり、新しい一面も見せられたりと、なかなかいいアルバムになっているんじゃないでしょうか。まずは名刺代わりの一枚を、とはよく言いますがまさにそんな1枚になっていると思います。何年も後に聴いてみたとしても、今年のあったことはきっと鮮明に思い出せるんだろうな。そしてREC&MIXエンジニアの池田さんには自分たちのもつ素材をおいしく料理していただきまして、表現の幅を何倍にも広げていただきました。さらにマスタリングは山崎 翼 (Flugel Mastering)さんにしていただき、より聴き(食べ?)ごたえのある1枚に仕上げていただきました。本当に感謝しています。
 さて、リリースからも1か月半経ちまして、エゾシカは来年に向けて動き始めています。人生ベスト&これが俺にとってのOMOIDE IN MY HEADだ!というような曲もできたり、嬉しい話も決まったりしていて休まる暇のない、大変嬉しい状況であります。今年も残り僅かになりましたが、ぜひエゾシカから目を離すことのございませんよう、これからも応援よろしくお願いいたします。

 

2020年12月4日 Ezoshika Gourmet Club Vo.&Gt.&Key 池沢 英

​セルフライナーノーツ
1.東京
 アルバム一曲目。この曲は去年の11月にシングルとしてリリースしました。その際書いたセルフライナーノーツにこの曲の生まれた経緯なんかは書いてありますので是非チェックしてみてください。ここではレコーディングの小話でもしましょうか。この曲は今作唯一の再ミックス曲です。ミックスとは各楽器を録音した後に、それぞれの音量バランスや全体の雰囲気、聴こえ方(なんかこの曲、Cメロが幻想的!とか思ったことありますよね)なんかをうまく整える、いわば料理の味付けみたいなものです。今回はバンドの空気感や迫力がうまく伝わるよう、所々に工夫を凝らしています(特にリズム隊!)。ほんと曲の入りから全然違います。聴き比べしてみても面白いかも。そんな痒いところに手が届くようなミックスをしていただいたhmc studio池田さんには大変感謝しております。
3.弾ける炭酸
 アルバム3曲目。制作していたのは自粛期間真っ最中でしたが、アルバム収録曲の締め切りも近づいており大急ぎで作った一曲でした。弾ける炭酸♪というあのメロディ自体は随分前にできており、ふとした時にボイスメモから発掘。自分の中では史上最高に耳に残るフレーズだと確信していたので、史上最高にポップな曲に仕上げました。ちなみに女性ボーカルを入れるアイデアも、色々あったものの実現して本当に良かったです(これからもアルバム毎にやっていきたい)。初期のデモはトラックメイカーが作る楽曲に近いサウンドだったのでバンドアレンジ(特にギターの入れ方)にはかなり苦戦しました。やっぱり1人で家にこもって音楽を作っていると、だんだんとバンドを意識しないサウンドになっていくのかもしれないですね。いつか元のバージョンもリミックスで出してみたいな。個人的に気に入ってる部分はやはりイントロ。ドラムのスリップビートとシンセのサウンドにはこだわってます。
 歌詞については「弾ける炭酸」というフレーズからどんどんストーリーを展開していくという書き方を取りました。テーマは「金曜日の夜、飲み会の予定も特になく、このままでは物足りないので絶品ナポリタン&メロンクリームソーダで優勝をしていく20代前半のOL」です。僕自身、ふと思い立った時に自分で料理をして、好きなだけ食べて・飲んでをするのが大好きなんです。休みの前日の夜に焼くステーキとワインの組み合わせは格別ですよ。

モミジノススメ

モミジノススメ

@2018 by Ezoshika Gourmet Club

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